学習ソフトって、良いですよね。
ゲームと勉学ってどうしても世間的には対局になってしまいがちなんですが、
その問題を解決すべく対局同士が一緒になったものというのは本来異質だし、上手くいくのは難しいはずなんですよ。
そんなゲームジャンルが今現在まで出続けてるのは、地味に凄いと思う。
今回レビューするのは「ドラかず のび太のすうじ大冒険」。小学館から2012年7月19日にNintendo3DS、2021年2月4日にNintendoSwitchにて発売された学習ソフト。3DS版の価格は4937円、Switch版は1125円。Switch版の単体はダウンロードのみだが、他の学習ソフト3本も一緒に入っている「ドラえもん学習コレクション」が発売されている。
基本的な学習スペックは「小学校低学年」まで
まずゲーム性の前にゲーム性と同じくらい大事な要素、対象学習面について記そう。
このゲームは開始時に年齢、誕生日、そして「けいさんレベル」を選ぶ。
▲この年齢でもやらせてくれるの、ありがたいな……
「けいさんレベル」は4・5さい(ねんちゅう)から3年生はつなつまでは個別に選択でき、それ以上のレベルは「さいこうレベル」というレベルになる。
つまり学年的には数字の読み書き~整数の割り算までのレベルを学習することが出来る。
▲レベル選択は年齢に合わせて自動選択されるし、自分で選択も可能だ
また元がDSのソフトの事もあり、このゲームはタッチ専用。タッチペンを用いた数字の自動認識で書きながら学ぶことが出来る。やはり文字を選択したりするよりは実際に書いて形や書き順を学んだ方が良いですからね!!
算数モードだけではない。「楽習」の為のFPS
さて、このゲームのメインモードについてだ。
上記で書いた読み書きをペンで書くというのはモードとしてはあるがおまけのようなモードだ。
▲おまけのようなモード(学習は出来るのである意味メインだが……)
このゲームのメインモード、それは「FPS」だ。
学習ゲームとFPS、本来なら融合しない要素のような気がするが、これには理由がある。
それは、このゲームが「ドラえもんのゲーム」だからだ。
今作のストーリーは、算数が苦手な(もっと正確に書くなら勉強が苦手な)のび太は算数を勉強するために「絵本入りこみぐつ」で西部劇の本の中に入って算数の勉強をする……といったものだ。のび太が苦手な勉強をのび太が得意な射撃と合わせて学ばせる……これは本来このゲームをやる層が求める、苦手な勉強を好きなゲームと合わせて学ぶと一致していると言えよう。
さて、このFPSなのだが……学習ゲームとは思えないくらい出来が良い。
画面をタッチした箇所に撃ち、敵に当たれば倒せるというDS時代のFPSの基本を満たしている。また、敵以外の背景にある箱や瓶を撃って得点にしたり、トロッコの分岐スイッチを撃って方向転換するといったことも出来る。
▲ちゃんとFPSしてるなぁ
勿論算数の学習としてもちゃんとしている。敵をある程度倒すと「けいさんドリル」というのが登場し、それをタッチすると一定時間敵に数字が表示される。
その間上画面(Switchでは設定によって左だったり右だったり)に穴埋め問題が表示され、その答えの敵を撃ちつづけることによってコンボが発生!得点が上がったり、特定の条件でひみつ道具をもらうことが出来る。
▲急いで数式を解こう!!
ただ、けいさんドリルが発生しないと算数の勉強にならないから、ドリル出るまでの時間は無駄では?と思う方!!ご安心ください、このゲームにはなんとドリルが発生しやすい「ドリルモード」といったモードがあります!!これがあれば、すぐけいさんドリルが出現するので重点的に算数を学べます。
また、純粋にFPSを楽しみたい……という方の為にドリルが一切登場しない「ガンマンモード」も搭載!!本末転倒な気もするが……ゲームとしてはどれも面白いです。
▲スコアもランキングとして記録されます。出木杉め……
算数を今更勉強しても……という方も多いと思いますが、あえて初歩で、脳トレ気分でやってみても良いかもしれません。それなりに面白いFPSが楽しめますから。後、なんとこのゲームは学習ゲームとしては珍しくゲーム内の成績でエンディングが変わるといったやり込み要素もあります。是非!!