インディーゲームって、どちらかというとボードゲームの方が分野的にしっくりくるなぁと思う時があります。
デジタルゲームのインディーゲームって、今となってはどこで区別すべきか分からなくなってる感じがありますね。
ボードゲームだと、例えば「ゲームマーケット」(非電源系のゲームが販売される日本では一番大型と言っても良いくらいのイベント)では「大型」と「一般」でブースが分かれてますね。イベントだからコミケの企業みたいに分かれて当然だろというのもあるんですが、ボドゲを取り扱うショップでも大型と一般は何となく棚が違うような感じも少しありますね。
これは全部自論になってしまいますが、プログラミングするより形にしやすいというのがやはり出しやすいというのがあると思います。ボドゲならではの制限はありますが、その中で様々な、いや膨大なゲームが毎年生まれてるから凄い。
いやぁ、良いですよね。ボードゲーム。
今回レビューするのは「レッツプレイ!オインクゲームズ」。オインクゲームズが2021年12月16日にNintendoSwitchにて配信されたボードゲーム集。価格は2500円。
まず、オインクゲームズとは
オインクゲームズは10年以上ボードゲームを作っている会社だ。特徴としては非常にコンパクトな作品であり、非常にデザインが良く……そしてなにより面白い。
世界中で人気を博し、人気キャラクターとコラボしたものも発売されている……所謂ボドゲ初心者にもおすすめできるボードゲームシリーズと言えるだろう。
▲筆者持参の実物一部(とサイズ比較用のJoy-con)。どれも面白く、コンパクトだ。
今回紹介する「レッツプレイ!オインクゲームズ」はその中から4作(2021/12現在)オフライン、そしてオンラインでも遊ぶことができる。ボードゲームはどうしてもその特性上人を集めないとできないものが多いので、こういった作品が出るのは本当にありがたい……。
今回は「集」で出来ているゲームの為、個別にレビューを書きなぐろうと思う。
「海底探検」:重要なのは「欲」と「運」
「海底探検」の原作は2014年に発売され数々の賞を受賞した、オインクゲームズの代表作の一つと言える作品だ。
複数人のプレイヤーは潜水艦から海底へサイコロで進んでいく。そして進んだ先で「宝」のチップを拾う。宝チップの裏には得点が書いてあり、その得点が一番多いプレイヤーの勝ち……といったゲームだ。宝チップは海底の奥深くであればあるほど、得点が高い。
「それなら奥深くに行って帰ってくるだけのゲームでは?」と言った疑問が沸くであろう。もちろんそんなに簡単ではない。
宝チップは所持すればするほど、潜水艦への帰還が難しくなる。宝チップ一つ所持するにつき、酸素が一つ減るのだ。酸素は全プレイヤーの共有で25。これが0になった状態で潜水艦で外にいるプレイヤーは、勿論得点は無しだ。
それ以外にも宝のデメリットがある。宝チップ一つ所持するにつき、サイコロの出目から1引かれる。宝2個でサイコロの出目が5の場合は進めるのは3マス、宝4個でサイコロが4なら……進むことはできない。
▲欲張っては勝てない、しかし欲張らないと勝てない
このゲームの素晴らしさはやはり分かりやすさだろう。得点システム、酸素、進む方向、全て分かりやすい。また、ルールも素晴らしい。このゲームは一つのマス目(もとい宝チップ)に乗れるのは一人のみ。そして出目が大きく他プレイヤーを通り越す場合は、1マス分大きく進むことができるのだ。これはどういうことかというと1番最初のプレイヤーは帰りの時、最後のプレイヤーは進む時に進みやすく、ある意味平等に進むことが出来るということだ。
「月面探検」:人VS人のボドゲではなく、ボドゲVS人のボドゲ
「月面探検」は海底体験を少々……どころか大胆に変更したもので、原作は2021年に発売された。
月面探検と海底探検の違いは大きく以下の箇条書き内容を見ていただければわかる。
・対戦型から協力型になり、一定数の物資を回収し、全員生存すれば成功となる。
・キャラクター毎にジョブを設定できるようになり、条件を満たせば能力を発動できる。
・酸素が共有型ではなく、個々人でカードとして持つ。酸素カードを使ってサイコロを振るので酸素はすぐなくなる。
・酸素を得るためにOGS装置というものを置き、そこから酸素を得ることが出来る。
・OGSからの酸素吸引中、ランダムで磁気嵐カードが出てきてそれを引くとOGSが壊れて使用することが出来ない
………
……
…
挙げればきりがない。それだけ違うゲームでありながら基本システムは海底探検と同じという変わったゲームだ。
さて、ボードゲームというと古から対戦ゲームが多いが、こういったボドゲ自体と戦うゲームも多い。例えばソリティアとかもボドゲVS人といった形になりますね。
運が大きく関わるが、実力がないとその運も逃してしまう。そんな強敵と、皆で挑もう。
▲おそらく現状収録タイトル、というかオインクの中でも複雑な方のゲーム。是非挑戦!
「エセ芸術家、ニューヨークへ行く」:芸術は、よく分からない。
「エセ芸術家、ニューヨークへ行く」の原作は2011年発売されました。現状収録作の中では最も古いタイトルになります。
全員で一つのお題について共作で絵を描くという内容なんですが……なんと一人だけお題を知らない「エセ芸術家」がいるんですね。
最終的にはその「エセ芸術家」が誰なのかを当てるといった、人狼やワードウルフに近いゲーム性となっています。
▲原作では一人が自由にお題を決めれるが、今作は複数選択肢からランダムで選ばれる。
このゲームの特徴は人狼やワードウルフでのあぶり出しに使用するトークが絵になっているところですね。特徴的なものを書きすぎるとエセにバレてしまうし、よく分からないものを書くとエセだと疑われてしまう……。
また、絵の描き方にも特徴があります。
なんと1ターンに書けるのは一筆のみ。しかも時間もさほど長くない為、細かいものは書けないんですね。
それもあって最終的にはなんだかよく分からないものが出来る!といった芸術本来の面白さもあります。
▲この絵は何について書いたでしょう?(ジャンルは野菜,果物)答えは最下部にて。
「スタータップス」:信じた者が儲ける
「スタータップス」の原作は"一応"2017年に発売されたものです。何故一応かというと、このゲームは2015年に発売された「ライツ」というゲームを少しアレンジしたものだからです。
今作のテーマはズバリ「投資」です。プレイヤーはそれぞれ6種類ある企業に投資をしていき儲ける……つまりリターンを得るのを目指します。しかし、リターンを得れるのはそれぞれの企業で一番投資した人のみ、そのリターンは一番以外の投資した人から支払われます。
投資は手持ちのカードから企業のカードを自分の場に出すだけ!リターンを得たい企業のカードが出ないとその企業に投資はできません。
▲手持ちは最終的に自分の場になるので、隠し持って不意を衝くのもありです。
また、投資のポイントとしては企業カードの枚数の最大数は企業ごとにカードに記されています。10と書いてある企業は最大で10枚まで存在し、5と書いてある企業はたった5枚のみです。過半数を自分の場に出せばもうリターンをとれると考えていいので、その時はマーケットに流すというのをして他の人が取るように流すことができます。
このゲームは他のゲーム以上に戦略性が求められる為、頭脳戦が好きな方にお勧めです。
ボドゲが一人で遊べる喜び、そして誰かと遊べる喜び
このゲームの一番うれしい点はやはり、オンラインオフライン共に遊べる点ですね。
オフラインではCPUや友達と、オンラインでは友達や知らない人と遊べる……つまり、どんな状態でもボドゲを楽しめるということなんですね。
▲オフラインでは少しシステムが変わる場合もある。
今まで人を実際に集めないといけなかったのが、これで少しだけ解決するのは素晴らしい!是非、皆さんも今作をプレイしてみてください……そして実際のボドゲも!!
▲答えはバナナでした(エセ芸術家は青の私)。そんなバナナ。