映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021、見ました(3/4)
備忘録的感想を書くにあたってどうしてもネタバレは避けれないのですが、とりあえずネタバレ以外の備忘録を先に記します。
・前回までのあらすじ
新恐竜から投じられたどデカい一石が偶然私にヒットし心に重傷。早く素晴らしいドラえもん映画が見たかったのにまさかの一年延期。嬉しい悲しいどっちか聞かれたら即答で悲しい状況で1年待つこととなった……
・今回の記事のようやく
宇宙小戦争2021、めっちゃ良かった~~~
以上、ネタバレしない箇所終わり。以下、滅茶苦茶ネタバレしてないので映画見てない人は読まないでください。こういう記事読んで視聴済みみたいな空気で偉そうに語るような大人にはなるなよ!!!って誰かが言ってました。
・宇宙小戦争2021という「新しいリメイク映画様式」
ドラえもん、特にわさドラ以降のリメイクには大きく分けて2種類あると思う。
一つは比較的忠実なリメイク。恐竜2006とか新大魔境みたいに大まかなシナリオは原作と同じなパターン。
もう一つはアレンジを大きく含んだリメイク。新宇宙開拓史とか新鉄人兵団みたいにキャラを足したりしているパターン。
宇宙小戦争2021(以下今作)はどちらかといえば後者になるのかもしれない。情報出てからしばらく名前を読んではいけないくらいの扱いだった(詳しくは美山田氏のブログにて)ピイナの存在があるからだ。
私もピイナの存在を知って「あぁちょっとアレンジ入るのかな?」「モリーナさんみたいな立ち位置になるのかな?」「上手く話しに入れれるのか?」と期待の不安半々くらいの私が不思議状態の感想だった。
ただ、この認識は間違っていた。それを知ったのは全て見終わった後だが。
・OP問題
早速映画本編の備忘録。やはり今作で一番最初に語るべきはOPだろう。
前作の新恐竜はOPソングが無かった。新恐竜公開時にはTVのOPが変更となったので映画のOPがどうなるか気になってしょうがなかったが、新恐竜はなかった。宝島もなかったのであのタッグになるとOPがなくなるのだろうか?と多くの人が納得したと思う。
さて今作はどうだったのか?ついに「星野源のドラえもん」が流れたのか?それとも「夢をかなえてドラえもん」が流れたのか??
答えはどちらでもなかった。もし映画館に俺一人だったら「ヒャー!」と言っていたことだろう。BGMと本編に継続する形の映像。フォントが特殊なこともあって、ちょっと
特撮映像みがあったのが良かったですね。
・てかOPの前に何かとんでもないことが起きたよ
OPソングより前に驚くことがあった。今作は導入が旧作とは大きく異なるものだった。
旧作ではジャイアンスネ夫と共に映画製作に協力していたのび太がクビ。対立する形でしずかちゃんと撮影をする……みたいな流れだった(滅茶苦茶端折ってるので、よくわからなかった人は旧作か原作を見てください)
今作はジャイアンスネ夫のび太だけでなく最初から出木杉が参加しており、その後対立でしずかちゃんと撮影するシーンも存在しない。全く異なる導入なのだ。
冷静に考えるとスネ夫が「映画撮影をするぞ!!」という状態で出木杉より先にのび太を誘うのは……はっきり言うと変ですしね。ある意味当然かもしれません。
また、その後出木杉が本筋に関わらない流れにするのも説明があったのも良かった。出木杉を丁寧に扱ってると嬉しくなりますね!!そうじゃない時もあったので……。
・発生した分岐点
恐らく、前情報を入れずに今作を見た人が一番びっくりするであろうシーンが(もしかしたら牛乳風呂をちゃんとやったことに驚いた人もいるかもしれないが)あった。それはしずかちゃん救出にパピが向かうシーンだ。旧作原作ではしずかちゃん救出のためにパピが身代わりになってしまう。
だが、今作は違かった。パピもしずかちゃんも救ったのだ!!これは本当に驚いた……。言ってしまえば話がここで明確に原作旧作から分岐となったからだ。
ただこれはメタ的に考えても必要なシーンだろう。
原作旧作ではここでパピはドラえもん達から離脱、次に会う時はほぼラストシーン。しかも特に会話できる状態ではないという……ゲストキャラの中でも屈指のコミュニケーション数の少なさがあった(他には多分海底鬼岩城とかあるけど)。
今回両方救ったことによりパピというキャラクターの魅力を引き出していくこととなる。
また、パピの代わりに捕らえられたピイナ。その、キャラクターデザインから丁寧に作られた表現が……非常に上手い。パピにとってのヒロインであり、今作のストーリーを邪魔せず重要な役割をする、素晴らしいキャラだ。
・「少年期」がある意味存在するストーリー
宇宙小戦争といえば「少年期」という人は多いだろう。
今作では「少年期」は流れない。だが、ある意味流れているのではないだろうか?
今作はタイトルにも含まれている通り、「戦争」が発生している。ましてやドラえもん達には本来関係ない惑星の戦争に流れの上で巻き込まれている。ジャイアンのように一種の正義感で向かう者もいるが、全員がそうではない。スネ夫のように勇気を踏み出せない者もいる。これは彼らが、子供だから……なのかもしれない。今作はパピの心情がスネ夫に打ち明けられている。「本当は怖い」と。彼は国の代表者でありながら、のび太達とさほど変わらない子供だ。その複雑な心情が様々なセリフや行動から見ることが出来る。「あぁ僕はいつごろ大人になるんだろう」。この少年期の歌詞はもしかしたら、のび太達だけではなくパピの心情を表現していたのかもしれない。
まぁ、流れないんですけどね!!!
・主人公は……
原作旧作で数少ない個人的な不満があった。それはのび太が特に活躍しない点だ。「劇場版になるといい事を言う」と後に言われる男ではあるが今作では特に活躍しない。しないどころか、どちらかというと本編に近い「足手まといキャラ」のような扱いだった。
今作ではそういったシーンが削られている。チータローションのシーンは削られ、パピとの会話や石ころ帽子のシーンは明確に主人公している。
のび太が主人公している、当然ではあるが非常にうれしい。
いや、もっと言うなら今作は全員主人公といえるかもしれない。
そういった万遍なく活躍している作品、良いですよね~
・ドラコルルという"より"強敵、かつ無欠"だった"男
宇宙小戦争と言えばドラコルル。実質ラスボス扱いであり、そして大長編の中でもかなりの強敵と一部ファンからは言われている。パワーとしての強敵ではなく、頭脳としては本当に随一と言えるかもしれない。
今作は原作に比べより強敵と化している。原作以上にドラえもん達は強化されていながらそれらを上回る作戦を用意している。自由落下作戦の強化、戦車のアンテナを内部収納、初見の石ころ帽子……全て対応した(自由落下はPCIA自体優秀みたいなところがあるけども)
ただ、そんな完全無欠と言えたかもしれないドラコルルの弱点が今作で少し描かれていた。ストーリー終盤、何人かの兵士がドラコルルに報告するシーンがある。そこで本人が言っていた通り、PCIAはドラコルル無しで判断が出来ないのだ。言ってしまえば育成まで手が回っていないのだ。彼単独が優秀ではあるが、PCIAを優秀にすることはできなかった。そういったものが今作では浮彫になっている。
・まさかの出木杉
本当に今作のラスト、異例と言えば異例なようなことが起きた。
それは出木杉の登場だ。出木杉は今作では珍しく大長編のストーリーを「知った」のだ。
上記で書いた通り、出木杉は今回仕方なく話に参加できなかっただけであり……もしかしたら出木杉は参加できていたのかもしれない。そういった可能性にも思いを寄せることが出来る。また、こういった扱いがキャラが世界に生きているなぁと……そう感じれるのが嬉しい。
とりあえず備忘録程度に書きました。また思い出したりしたら追記します。